不安ボール

不安が弾けた

自分が分からなくなって
誰かの模範を繰り返す

幸せな声が響く部屋で
ひとり苦笑い
切ない笑顔を振舞って
ただの聞き手役

私の代わりは誰でもいる


弾けた不安は夜になり
朝がくる

大丈夫、朝は私を隠してくれる

吸い込まれた

言葉を忘れたんだ
どんな感情かすらも
濁ってしまって
何もみえない

泣く君すら無感情

消えた君にすら無関心

言葉を忘れた
何がよくて何が悪くて
最も覚えている時だって
そんなの分からなかったけど


私の言葉は空気に壁に吸収されて
通り抜ける

後ろ向きに前向き

前向きになる
前を向かない
後ろを向いて
前向き前向き

僕は君と違う

煙草

最後に飲んだ粉薬の味
喉に引っ掛かって
むずむず 苦甘い

最初にキスした舌の味
口内に広がって
ひりひり メンソール


誰にも指図されない
不覚にもときめかない

私に抱く感情

軽いメンソール
喉を焦がした煙

少し遣る瀬無い
軽くめげます
酷く下らない

好きな言葉なんだ