夢を食べます、と
メールが1通届いていた
【おいしいの?】
【とても美味ですよ】
送信してすぐ、
それは返された
声に出してみた
「食べたい」
【僕のをあげましょうか】
すぐに返ってきた
私の携帯に、
会話でもしてるかのように
「いいの?」
【僕のでよければ】
「どうやって食べるの?」
【貴女が苺を食べるように】
「苺みたいに小さいの?」
【僕のはね】
「私のは?」
【分からない】
「今夜食べてくれる?」
【貴女さえよければ】
携帯の受信ボックスには
8通の私からのメール
メールは2回目に開くと真っ白だった
全て私からの空メール
夜がきた。
でも寝れなかった
眠くなかった
寝たくなかった?
朝がきた。
夢は見なかった
寝ることが出来なかった
苺らしき酸味が
口内に広がっていた
始めての夢の味
メールがきた。
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