「全てぼくが悪いんだ!」
【嘘付け、そう言って違うよ、という言葉を期待してるんだろ?】
「違う、」
【じゃあなんだ、そうだねって言って欲しいのか】
くく、と喉で笑う
ぼくは悔しくて悔しくて殺意さえ覚えそうだった
(でも結局は殺したとしても、それはぼく)
「どうして君はぼくなんだ」
【じゃあ、俺も問う。どうしてお前なんかが俺なんだ】
「」
【どうして俺はお前の俺なんだ】
「」
【どうして俺がお前じゃないんだ】
「それは、」
【甘えるんじゃねぇ】
それは殺意だった
ぼくに向けられた殺意だった
涙が溢れ、膝ががくがくと震えるような殺意だった
ぼくが居なくなると心臓が一生懸命動いているのを感じた
「ぼくはぼくなんだ…君はぼくなんかじゃない…」
ぼくの首を両手で掴む
力を入れていく
「…っ……ふ、う」
苦しい苦しい苦しい苦しい
最早ブレーキは効かない
まるでぼくじゃない誰かの手で絞められている
涙が止まらない
しかし、呼吸は出来ない
泣くだけ苦しい
最後に、楽しそうに笑うぼくが見えた
【さようなら、と】
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