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瞼を閉じた、世界が眠った。
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「あの電線に触ったら死ぬかな」


君は指差す。
そこには1本だけが揺れ、
その周りに白いものが巻きついているかの様に見える。


「さあ?でも触れないじゃん」

「夢の無いことを言うなあ」


どっちがだ。


「だったらあそこに鳥が止まってくれないかな」

「感電死させたいの?」

「うん」


別に鳥が可哀想とかは思わない。
けど、そんな都合良く
あの電線1本に止まるわけがない。
しかも、揺れているのだ。


「無理じゃない?」

「だよね」


どうやらそれは分かっていたようだ。




「やっぱり自分で触った方がいいや」




分かって無い。
触ってどうする。
そして、
どうして今触ろうと電柱に登り始める。
残された私はどうする。


「んじゃ、かえ…」

「何言ってんの一緒に居てよ」

「否。とめなかった私に責任がくるのは否」

「何言ってんの?」

「死にたいんでしょ?」

「まさか」

「は?」

「興味本意よ。死ぬ気なんて更々ないわ」

「それじゃ上るな」

「うん、何か面倒になった」


こいつ、と腹が立ったが
此処は抑えておいた。
こいつはたまに正気じゃない。
いつも一緒だから良く知ってる、

つもり。

どうでもよくなったから
まだ電柱から降り終えてないあいつを
待たず歩き出す。


「ちょ、」


腹が立つ。
どうしてそんなネガティブなのに
みんなから好かれるのか。
私がやったら引くのに。
本気にされるのに。
まあ、本気だけどさ。


「馬鹿みたい」


それは誰にも届かず消える。






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