消えてしまえ。
何度も言われ、言い続けた言葉。
私が消えて欲しいと願う人がいれば、
私に消えて欲しいと願う人もいる。
それくらい嫌いで仕方がない。
痛いくらい分かる感情。
怖いくらい伝わる殺意。
恐ろしいほど嘘を付く自分。
認めたくない。
自分を否定する人間なんて。
知りたくない。
自分を不必要とする人類なんて。
だから、私は貴女にそれを言うことで存在を其処に絡み付けた。
それくらい私は私を認めてくれないのが怖い。
『無意味な感情』
怖いだの、消えろだの、嫌いだの。
生きていくには不必要だ。
そんなの捨ててしまえ。
笑うことも、泣くことも、楽しむことも。
全てが私を必要とする人材と成れば良い。
そうやって黒に染まってく。
「嫌だ」
リアルな感触。
汗ばんだ掌。
夢だ。
夢だった。
全部。
・・・全部?
違う。
違う夢なんかじゃない。
あれは間違いなく私の感情だ。
あれは幻像だったとしてもあの感情は本物だ。
崩された。
唯一、認めたくない私の心に秘めた決意を。
私の弱さを。
別に誰に何と思おうと構わなかった。
でも、崩された。
それだけは認めたくなかった。
私の中のもう独りの自分に。
「ああああああああ・・・!」
叫ぶしかなかった。
涙を流すしかなかった。
認めざるを得ないかった。
弱い私。
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