「私は否定される事が嫌いだ」
何故、私は彼にそう言ったのか分からない。
彼を見たら急に言いたくなった。
そんな私に驚く事はなく淡々と私に云う。
「誰だって嫌だよ、そんなの」
ほら、否定した。
私はそれが嫌いなんだ。
その予想外の回答に反応出来ない自分がもっと嫌いだ。
「けど、それを受け止められる奴も居るだろう?」
「否定されるのが好きな奴なんて居ない」
ほら、また否定した。
もう自分が嫌になる。
私は俯いて必死に涙を堪えるしかなかった。
彼は私をずっと見ていた。
「何故、そんなに否定を厭がる」
何故…?
何故だろう、考えた事も無かった。
唯、否定されるのは私が許せなかった。
その言葉を受け止められない私が居た。
ああ、これがプライドというのだろうか。
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