自ら傷つけ

傷ついていたのは自分だと
思い込んでいた

でも、本当は
信じてもらえなかった人の方が
本当は何倍も何倍も

傷つき、失っている


偽りだなんて

誰も言っちゃいない
自分が
その言葉を偽りに変異させていた

それを偽りとみなし
自分で自分を傷つける


両頬を叩き
気合を入れなおし
同じ事を繰り返すまいと
ほら、笑い信じ合う


傷付けた人、ごめんなさい

テリトリー

土足で入り込む
俺のテリトリー

怖い

怖い

もう、語るのには疲れた
震える手、声


づかづかと土足で
足跡を残して行く

俺のテリトリーに

梅雨

しとしと
降り続く雨は傘を濡らす

湿った空気

乾いた喉

不吉な音が轟く
頭痛はなお止まず

雨と同じ速度で痛む


しとしと
降り続く雨は痛みを共感する


無性に君に会いたくなった
だから、晴れたら逢いに行こう

君の許へ

魔法

乾ききらない
半濡れの髪で
甘い香を漂わせる

君は笑わない僕に
泣いて、と言う

君は泣かない僕に
笑って、と言う

声を凝らして笑うと涙が溢れた

そしたら今度は声を上げて笑った


君の魔法にかかる
もう、魔法は使えない君だけど