感情の袋

たくさんの感情を袋に詰めて
壊れるまでひたすら叩く

壊れた感情は戻らない

戻らないくせに

壊れて破片になった感情が
またわたしの感情になって
酷似した感情を蘇らせる


研ぎ澄まされた感性

わたしはまた泣く

赤を食す

赤い色を食べたら
視界が揺らいで揺らいで

浮遊感が気分を解す

ぷつん、切れた夢の音
夢と現の境目
脳に残る開放感

口に赤を運ぶ度
視界に君が映りだす
泣いて泣いて泣いて
僕の心を痛ませる

ばちん、切れた映像

机の上の大量の赤が
君と会う唯一の手段

赤を食べて

赤を食べて

紅を出して


赤と紅が融合して
いつしか僕は
赤になっていた

希望の帰還

綺麗に落ちてゆく
希望の欠片

並べられた単語に
騙されたのは誰


希望は粉々になって
私の手元に帰る

おかえり

お疲れ様でした

私は工事されています

機械、轟音と壁の狭間で
飲み込まれていく
とぐろを巻いた世界

生きるまでに何回死ぬだろうか

死ぬまでに何回生きるだろうか

行く手を塞ぐ
赤いコーンと標識には
「立ち入り禁止」
知らない男性立っている

気が付けばぼくの周り全てに
囲むように立っている


霞んでいく視界に映る
騒音、心地良い暗闇