ぼやける悲しみ、私の糧

視界に濁点
脳裏を焼き尽くす像
それは想像

絡まった紐が
「ウソツキ」と
蝶結びを繰り返し
固まり結ぶ

もう、これ以上
泣けない
たった一滴の悲しみ

乾いた夜に眼に
映し出すのは真実の虚像

苦しみも
笑えば苦い過去

そうやって積まれたものが
あたしとなり君となり

いつかは消えるのです

（あたしの笑う写真と共に、）

信じたい嘘

遠い距離が悲しくて

君の訃報を聞いたとき
悲しみより疑いが生じた

「嘘」

ぐらぐらと揺れる現実の中
花束を君に、

もう帰らない

もらう愛、あげる愛

拒絶するんだ
君の愛を
でも、
わたしは君に愛を捧ぐ

一方通行が心地良かったのに
君は簡単にわたしに落ちて
簡単に愛を紡ぐ

温度差が激しくなって

わたしは君を傷つけた

「うそつき」と
投げられた言葉に
わたしは盾も作れず
感情をぐるぐる巡らせた

愛されたくないのに愛したい

愛されたから愛さない


だから臆病になる
誰かなしじゃ生きられなくなってからじゃ遅い
わたしはわたしを愛す

もう、いやだ

そしてさようなら。

好きだけど、

寒い寒い帰り道
暗い暗い帰り道
君とふたり

先を行く君の背中が好きで
追いかける私は悲しくて

好きなんて言葉
何千回言っても
愛には変えられない

分かっていても
私は君が好きで
君を愛してない


違いが分からない侭

冷たい手は今日もそのまま、