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瞼を閉じた、世界が眠った。
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ピンクになったあなたを見て
かわいらしいと呟いたの
あなたは大層な顔でピンク?と私に尋ねたの

「ええ、かわいらしいピンクだわ」

「どこがピンクだっていうんだい?」

お前の瞳自体がピンクになったんじゃないのかい?
と、馬鹿らしくあなたは私を嘲りました

「私はピンクなんかじゃないよ」

「じゃあ、あなたは何色なの?」

「私はあなたと同じ色じゃないか」

「私は赤よ」

「それじゃあ、私も赤だ」

「  そうね」


翌日、やはりあなたはピンクだった
誰かが来てあなたを取って行ったわ
どうしてこんな色に。
誰かがそう呟いていた
誰かは隣が白だからいつのまにか混ざったのだろうと言った

あなたは大層ピンクになって
私は赤よ、と消えた

不自然に残ったあなたの跡を見て
各々、かわいそうにと呟いた





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「全てぼくが悪いんだ!」

【嘘付け、そう言って違うよ、という言葉を期待してるんだろ?】

「違う、」

【じゃあなんだ、そうだねって言って欲しいのか】


くく、と喉で笑う
ぼくは悔しくて悔しくて殺意さえ覚えそうだった
(でも結局は殺したとしても、それはぼく)


「どうして君はぼくなんだ」

【じゃあ、俺も問う。どうしてお前なんかが俺なんだ】

「」

【どうして俺はお前の俺なんだ】

「」

【どうして俺がお前じゃないんだ】

「それは、」

【甘えるんじゃねぇ】


それは殺意だった
ぼくに向けられた殺意だった
涙が溢れ、膝ががくがくと震えるような殺意だった

ぼくが居なくなると心臓が一生懸命動いているのを感じた


「ぼくはぼくなんだ…君はぼくなんかじゃない…」


ぼくの首を両手で掴む
力を入れていく


「…っ……ふ、う」


苦しい苦しい苦しい苦しい
最早ブレーキは効かない
まるでぼくじゃない誰かの手で絞められている
涙が止まらない
しかし、呼吸は出来ない
泣くだけ苦しい

最後に、楽しそうに笑うぼくが見えた


【さようなら、と】











いつも誰か、簡単に大丈夫なんて言葉を口にする。『大丈夫、大丈夫』後丁寧に2度も同じことを言いながら、なんの根拠もないのに『大丈夫』と繰り替えす。


「他人の大丈夫を、  ぶつけないでほしい」


彼は苦笑いする。困ったときにいつも耳を触る癖、成人しても尚直らないのだろうか。小さい頃から一緒だったぼくにはまるわかりで、だからこそ苛々してしまう。みんな彼の表の顔だけ見ているからだ。悲しいと彼はズボンのポケットに手を入れる、怒っているときは喉を触る。きっと彼はそんな癖のこと、自分では分からないのだろう。彼はいつだって笑っている。ズボンのポケットに手を入れながら笑って、喉を触りながら笑って、耳を触りながら笑って。


「大丈夫と言った数だけ大丈夫になれるんだ」

「ならないよ」

「なるよ」

「大丈夫と言った数だけひとりになる」


彼は前髪を触る。こういうときは少なからず機嫌が悪くなっていっているときだ。だからと言って、彼は怒ったことは無い。前髪をいじりだすと、機嫌は凄く悪くなるのだが、それで怒ったことはなかった。彼はずっと笑っているんだ。


「あはは、そんなことはないさ。大丈夫は元気になる呪文みたいなものさ、自分の首をしめるようなことに使う奴は実はその強さ故の弱さに気づいて欲しい奴だけ。大丈夫って案外気合入るんだぜ?」


そういって彼は何度も、何度も、大丈夫大丈夫と繰り返しずっと笑っていた。ぼくの眼からは彼が泣いているようにしか見えなかった。最後の君の癖。大丈夫と言うときは必ず心は泣いている、本当は泣いてしまいたい時。そんな彼を見てぼくは、彼の代わりにと言わんばかりに泣くことしかできない。そんなぼくを見てかれは「ありがとう」とまた笑った。











ぼくは感情を殺した。ぼくは感情を封印した。ぼくは感情を拘束した。ぼくは感
情を束縛した。結局、ぼくは感情を消した。


「いいな、私もそんな感情が欲しいわ」



彼女は言う。白く細い指を髪に絡めて、微笑みながら。


「ぼくは感情なんて無い」

「そうかしら?」

「ぼくは感情を殺した」

「得たのは?」



そう問う彼女は楽しそうに紅茶を飲む。ぼくは感情を殺して得たものを考える。
彼女はシフォンケーキにクリームを絡ませ口に運ぶ。ぼくは感情を消して得たも
のを考える。彼女は紅茶を飲み、ぼくを見据えた。


「得たものは“無感情”」

「無感情?」

「結局は感情の延長線なのよ」

「感情の延長線…」



それじゃあ、ぼくは完全に感情を殺せてないじゃないか。完全に感情を消してな
いじゃないか。完全に拘束出来てないじゃないか。


「感情を消したいなら自分を辞めるか、人を辞めるかしかないと思うの」

「どういう意味?」

「ご馳走様。ケーキとても美味しかったわ勿論紅茶も」


彼女は席を立ち、帰る身支度をし始める。ぼくは焦り彼女を引き留めようとする




「貴方はまだ知らないことが多いのよ。裏表、白と黒、光と闇、全て自分なりの
答えを持ったとき感情も何もかも殺したくなるわ」

「意味が分からない」

「貴方にはまだ分からないという感情があるって意味よ」


彼女は半ば言葉を投げるかのように、そう言い部屋を出た。ぼくに感情を残して






後日、彼女が薬物による自殺でベッドに綺麗に横たわる知らせが届いた。彼女の
机にあった紙には“つまらない”と一言書いて置いてあったらしい。
ほら、涙が出てくる。だから感情は嫌いなんだ。彼女も感情なんて無ければ死ん
でいなかったかもしれないのに。
結局、ぼくは無感情という感情の所為で泣き続けた。





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