「愛スという意味を教えてくれ」
そういったら、
君は僕を押し倒して
狼の眼をした。
「好キという意味を教えてくれ」
そういったら、
君は僕を抱きしめて
スキダと言った
「ねぇ、行動じゃなく言葉で教えてよ」
「分からない」
「じゃあ、何故僕に好きというの?」
「好きだから」
ああ、不純。
元々純など求めてないが。
君に後ろから抱きしめられ、
君の吐息が僕の首筋にかかる。
そんな君が僕は嫌いじゃない。
「俺はお前が好きだ」
「僕は分からない」
僕の感情は間違っているのだろうか。
嫌いじゃない、
でも好きというのも違う気がする。
「僕は男だ」
「そんなお前が好きだ」
ああ、駄目だと思った。
きっと僕が君を好けない理由は、
君が男だからだ。
告白された時、
僕はきちんと男と言った。
そしたら、
男は男を愛せないという概念は捨てろと言われた。
別にそんな概念など持っていない。
「僕は君を愛せないよ」
僕は強く頬をぶたれた。
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